2016年5月14日土曜日

伝説2巻p313〜《盲目》

TIME OF THE TWINS p304
“I don’t suppose you could…sort of swoosh me somewhere, like you did the last time? It’s great fun….”

伝説2巻p313
「あのさ、もしかして……ぼくをどこかへシュッてしてくれないかな。この間してくれたみたいにさ? あれ、すっごくおもしろかった……」

Checking a sigh, Raistlin obligingly “swooshed” the kender into a duck pond, to Tas’s vast amusement. The kender couldn’t recall, in fact, when Raistlin had been so nice to him.

 ため息をこらえて、レイストリンはケンダーを親切にもアヒル池の真ん中に「シュッ」してやった。これはタッスルをこの上なく喜ばせた。事実、ケンダーはレイストリンがこれほど親切にしてくれたことというのをほかに思い出せなかった。

It must be because of my ending the Cataclysm, Tas decided.

 きっとぼくが<大変動>を止めることへご褒美なんだ。

He’s probably really grateful, just doesn’t know how to express it property. Or maybe he’s not allowed to be grateful since he’s evil.

 レイストリンは本当はすっごくありがたいと思ってるんだけど、どうやったらちゃんとそれがあらわせるかわからないんだ。でなきゃ、かれは悪の側にいるから感謝することを許されてないのかもしれない。

***

 タッスルの”nice”=アヒル池にシュッしてくれること。
 タッスルの”evil”=素直に感謝しないこと。
 嵐の中をもみくちゃにされ、危うく遭難しそうになりながら神殿に辿り着くのも”amusement”。ケンダーとしての人生も悪くないかもしれないとふと思いました。


“Nothing else?” Loralon pursued. “Envy, perhaps? A desire to emulate them? To exist on the same level?”

「その他には?」ロラローンは続けて尋ねた。「妬みもありましょうな? 神々と張り合いたいという欲求も? 同じ高みにまで登りたいと思うのでは?」

“No!” Crysania answered angrily, then flushed, averting her face.

「まさか!」クリサニアは怒って答えた。それから顔を赤らめ、そむけた。

“A true faith needs no demonstrations, no justification for believing what it knows in its heart to be right.”

「まことの信仰は示威を必要とはしません。心の奥底で正しいと思っていることを信じるのに、それが正当だというあかしも必要ではないのです」

Loralon regarded her with a look that was more pitying than angry. “You do not look into the light, you stand in front of it.”

 ロラローンはクリサニアを見つめた。その眼差しは怒りというよりは憐れみといってよさそうだった。「光を覗きこむことはできないのですよ、あなたは光の側に立っているのですから」

“The shadow you see cast before you is your own. Thenext time you will see clearly, Crysania, is when you are blinded by darkness…darkness unending.”

「あなたが自分の前にのびる影を見るとき、それはあなた自身の影なのです。この次あなたがはっきりと見えるようになるときは、クリサニア、それはあなたの目が闇にくらまされた時なのです……終わりなき闇に」

***

 ロラローンの予言。この人に政治力があったら、クァラスに敗れなかったら、<大変動>は起こらなかったのでしょうか。いや、権力を手にしてしまったら、かれですら、その影響を免れることはできなかったかもしれません。

 この後、神官王のパラダインへの声高な要求も書き写してはみたんですが、あまりに気分が悪いのでやめにしました。嫌悪を催したのは神官王という人物ではなく、自分も含めあらゆる人間の中にあるものに対してです。この調子で精神力持つのか…頑張れ2巻あと3章。

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