“Fistandantilus is dead. By my hands.”
伝説2巻p185
「フィスタンダンティラスは死にました、このぼくの手によってね」
“’So, little mage,’ Fistandantilus sneered, ‘and how did you get here? Did the great Par-Salian send you?’
‘I came on my own,’
‘I am the Master of the Tower now.’”
「フィスタンダンティラスはせせら笑った。『それで、お若い魔法使いどの、どうやってここへ? 大パー=サリアンがそなたをここへ遣わしたのか?』
『自力でここへ来たんです』
『ぼくは今や<塔の主>なのですよ』」
“’Impossible,’ he said, laughing. ‘I am the one whose coming the prophecy foretold. I am master of past and present. When I am ready, I will return to my property.’”
「『まさか』かれは笑った。『その到来を予言され、かくて来たりし者はこのわしなのだ。このわしが<過去と現在の主>なのだ。準備が整ったら、わしは所領に帰る』」
“But the fear grew in his eyes, even as he spoke, for he read my thoughts, ‘Yes,’ I answered his unspoken words, ‘the prophecy did not work as you hoped.’”
「でも、しゃべっているあいだにも、かれの目の中で恐怖が膨れあがっていった。彼がぼくの心を読んだからなんだ。『そうです』ぼくは口に出さずに答えた。『予言はあなたが望んだようには働かなかったのです』」
Raistlin turned to face his brother, and Caramon stepped back a pace, frightened at the hatred and fury he saw burning within the eyes, brighter than the dancing flames of the fire.
レイストリンは兄と面と向き合った。キャラモンは一歩あとずさった。弟の目のなかに燃える、ちろちろと躍る炎よりも鮮やかな憎悪と憤怒におびえたのだ。
“So he thought to keep me weak and frail. But I fought him! I fought him!” Raistlin repeated softly, intently, his gaze staring far away.
「だから、かれはぼくを脆弱なままにしておこうと考えていたんだ。でもぼくはかれと闘った! かれと闘ったんだ!」静かに、熱をこめて、レイストリンは繰り返した。目ははるか遠くを見つめている。
“I used him! I used his spirit and I lived with the pain and I overcome it!”
「ぼくこそかれを利用した! かれの霊力を利用したんだ。苦痛とともに生きて打ち勝ったんだ!」
“’You are master of the past,’ I told him, ’but you lack the strength to get into the present. I am master of the present, about to become master of the past!’”
「『あなたは過去の主人なんですよ』ぼくは言った。『現在にやってくるだけの力はあなたにはない。現在の主はぼくなんです。そして今まさに、ぼくは過去の主にもなろうとしてるんですよ!』」
“This time, I sucked him dry!”
「そして今度はぼくがかれをからからに吸いつくしたのさ!」
***
「過去の主」と「現在の主」の息詰まるようなやりとり。続く戦いの模様は、3巻の第3章で詳しく語られるのでした。
“There is one other here besides you who must be beaten down and hammered into shape.”
「兄さんのほかにもう一人、完全に打ちのめされてから金槌で鍛え直されなきゃならない人物がいるんだ」
“’remember the date’?”
「『日付を覚えておいて』って?」
“Yuletide, 962….Oh, I remember!”
“That was the last Yuletide right before…right before….”
The thought took the kender's breath away.
“Right before the Cataclysm!”
「冬至祭、九六二年……そうだ、思い出した!」
「最後の冬至節だったんだ、あの……あの……」
ケンダーの息が止まった。
「<大変動>直前の!」
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