“Do not touch it!”
The familiar voice came from the shadows and was so stern and commanding that Gnimsh froze in his tracks, his hand clutching the device.
伝説4巻p227
「それにさわるな!」
聞き慣れた声が物陰から響いた。それがあまりに厳しい口調だったので、ニムシュは装置をつかんだまま即座に凍りついてしまった。
“Raistlin, look ou--“ Tas shrieked.
「レイストリン、気をつ――」タッスルが金切り声をあげた。
Raistlin turned. He did not speak. he did not raise his hand. He simply stared at the dark dwarf. The Dewar’s face went ashen. Dropping the knife from nerveless fingers, he shrank back and attempted to hide himself in the shadows.
レイストリンは振り向いた。ひとことも口をきかず、手をあげもしなかった。ただ黒ドワーフを睨みつけただけだった。<デュワー>の顔が土色になった。力が抜けた指のあいだからナイフを取り落とし、たじたじとあとずさって物陰に身を隠そうとする。
Satisfied, Raistlin turned back to Tas.
“--out,” Tas finished lamely.
レイストリンは満足げにタッスルに向き直った。
「つ、つけて」タッスルはどもりながら言い終えた。
“The device was broken,”
“He reassembled it?”
「装置は壊された」
「そいつが組み立てたのか?」
“Y-yes.” With a weak grin, Tas scrambled back to poke Gnimsh in the ribs just as the gnome was about to speak. “Re...assembled. That’s the word, all right. Reassmbled.”
「う、うん」力ない笑みを浮かべ、急いでニムシュのわきに駆けよると肘で脇腹をつついた。「組み……立てたんだ。そう、そのとおりだよ。組み立てたんだ」
“But, Tas--“ Gnimsh began loudly. “Don’t you remember what happened? I--“
“Just shut up!”
“this isn’t the time to try to explain.”
「おい、タッスル――」ニムシュが大声でしゃべりはじめた。「覚えてないのか?わしは――」
「黙ってて!」
「いまはまだ説明する時じゃないんだ」
Gnimsh, glancing dubiously at Raistlin, shivered and crowded close to Tas.
“He’s looking at me like he’s going to turn me inside out!”
ニムシュはうさんくさそうな目つきでレイストリンを見た。身震いし、タッスルにさらに体を寄せる。
「まるでわしを裏返しにしそうな目つきでにらんどる!」
***
レイストリンの態度に不吉なものを感じ、必死にごまかそうとするタッスル。そしていつもの、空白を挟まないノーム言葉を忘れているニムシュ…
“Come to me, Tas,” Raistlin said in a gentle voice, beckoning to him.
「こっちにおいで、タッスル」レイストリンは猫なで声で言い、手招きした。
“Oh, Raistlin, you’re not going to leave him here, are you?”
「ねえ、レイストリン、まさかニムシュをここに置き去りにする気じゃないよね?」
“No, I’m not going to leave him here, Tas.”
「いや、ここに置き去りにはしない、タッスル」
“You see? He’s going to swoosh us back to Caramon. The magic’s great fun,”
「ほらね?レイストリンがぼくらをパッとキャラモンのとこに連れてってくれるよ。魔法ってすっごく楽しいんだ」
“Ast kiranann kair--“
「アスト・キラナン・ケア――」
Horror broke over Tas. He had heard those words of magic before....
“No!”
タッスルは恐怖に陥った。この魔法の呪文は前に聞いたことがある……
「やめて!」
“--Gardurm Soth-arn/Suh kali Jalaran!”
「ガドゥルム・ソス・アラン/スー・カリ・ジャララン!」
***
これはキャラモンが森で狼罠にかかって木に吊られた時に使ったのとほぼ同じ呪文ですね。レイストリンはあの時初めて使ったようでしたから、タッスルはきっとフィズバンの詠唱を覚えていたのでしょう。
Pandemonium broke out.
牢獄はとんでもない大騒ぎになった。
***
パンデモニウムと言われて、素直に万魔殿と変換されるゲーム脳。はい、普通は大混乱ですね。
Looking over, Kharas frowned. the body of the gnome lay limply on the floor.
そちらを見て、カーラスは眉をひそめた。ぐったりしたノームの体が床に横たわっている。
As the Dewar shambled forward, Kharas looked into the dark dwarf’s eyes. And he saw, to his horror, that any sanity the dark dwarf might once have possessed was now completely gone.
<デュワー>がよろよろと前に進み出てくると、カーラスは黒ドワーフの目をのぞきこんだ。恐ろしいことに、以前は黒ドワーフにあらわれていた正気の色が、いまは完全に失われてしまっている。
“I saw ‘im,”
The dark dwarf laughed horribly. “Us nex’!” he repeated.
「おれ、見た」
黒ドワーフは恐ろしい笑い声をあげた。「つぎはおれたち!」くりかえす。
“Who?” Kharas asked sternly. “Saw who? Who came for the kender?”
「誰だ?」カーラスは厳しく問いつめた。「誰を見たんだ?誰が<ケンダー>を襲ったんだ?」
“Why, himself!” whispered the Dewar, turning to gaze upon the gnome with wild, staring eyes. “Death...”
「そりゃ、あいつだ!」<デュワー>は声をひそめ、かっと見開いた狂った目をノームに向けた。「死だよ……」