Raistlin laughed.
伝説1巻p28
レイストリンが声をたてて笑った。
It was thin, high-pitched, and sharp as a blade. It denied all goodness, mocked everything right and true, and it pierced Crysania’s soul.
それは細くかん高く、刃のように鋭い声だった。あらゆる善を拒み、あらゆる正義や真実を嘲笑うその声が、今クリサニアの魂を貫いた。
***
出ました、タニスちゃんどん引きのレイストリン笑い。それでも引かずに睨み返したクリサニア様、やっぱり只者じゃないです。
Suddenly, perhaps realizing the fearlessness with which she confronted him, Raistlin’s laughter ceased. Regarding her intenly, his golden eyes narrowed.
不意に、眼前の彼女が恐れを知らない態度で立ち向かっているのを悟ったのだろう、レイストリンの笑い声が止んだ。彼女をじっと見つめて、金色の眼がすっと細くなる。
Then he smiled, a secret inner smile of such strange joy that Astinus, watching the exchange between the two, rose to his feet.
が、すぐにかれは微笑した。異様な喜びに満ちた秘密めいた微笑。二人のやりとりを見守っていたアスティヌスは、思わず椅子から立ち上がった。
***
この時のアスティヌスの動揺ぶり。おそらく彼は感じたのでしょうね。自分が見、記録してきた歴史が、フィスタンダンティラスがデヌビスを伴ってザーマン要塞に赴いた過去が揺らぐ、最初のさざ波を。
“How brave you are, Revered Daughter,” he commented. “You do not tremble at my evil touch.”
“Paladine is with me,”
「なかなか勇敢ですね、聖女どの」かれはほめた。「邪悪なぼくの手に触れられても、震えていない」
「パラダインがわたしとともにおられますもの」
Now Crysania trembled at his touch, but she could not move, she could not speak or do anything more than stare at him in a wild fear she could neigher suppress nor understand.
今度は、触れられて、クリサニアは震えた。しかし、彼女は動けなかった。しゃべることもできなかった。何ひとつできず、ただ恐怖でかれを見つめるばかりだった。抑えることも理解することもできない激しい恐怖。
“Of course,” Raistlin sighed wearily, and there was an rxpression of sorrow in his face and voice, the sorrow of one who is constantly suspected, misunderstood.
「いかにも」レイストリンは力なくため息をついた。かれの顔にも声にも、悲哀の表情があった。絶えず疑われ、誤解されている者の悲哀。
“If you truly do not fear the knowledge, then come to the Tower two nights from this night, when Lunitari makes its first appearance in the sky.”
「もし知ることを本当に恐れないのなら、二日後の夜、ルニタリが天に姿を現わすとき、<塔>においでなさい」
“I will be there,” Crysania answered firmly, noting with pleasure Bertrem’s look of shocked horror.
「必ず伺いますわ」クリサニアはきっぱりと答え、バートレムがぎくりと衝撃を受けた様子に快感を覚えた。
“I accept your challenge. I will not fail you! I will not fail!”
「厳しい試練をありがとうございます。必ずなしとげてみせます!必ずなしとげてみせます!」
***
敬意、嘲笑、おだててからの恐怖、脆弱な体までも利用してクリサニアを翻弄するレイストリン。二年間魔法の研究だけやってた訳じゃないんですね。さすがキティアラ様の弟、素質はあったということですか。
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