“Expects?” Dalamar laughed until he could scarcely breath. “He planned all of this!”
伝説1巻p300
「予期していない?」ダラマールは笑いすぎて息を切らした。「かれはこれをすべて計画したのですよ!」
“I am caught in the middle, as he intended.”
“I don’t know who I serve anymore, if anyone.”
「わたしはかれの思惑どおり、すっかりからめとられてしまったようです」
「わたしには、自分がそもそも誰に仕えているのか、もはやわからないのです」
“Because--like me--he has you where he wants you,”
「なぜなら――わたしと同じように――あなたがたはかれにとってちょうどよい手駒だからです」
“As it turned out, however, Lady Crysania fell into his hands--one might say literally. She is good, strong in her faith, powerful--“
“And drawn to evil as a moth is drawn to the flame,”
「結局、蓋を開けてみると、レディ・クリサニアが――文字どおり、と言っていいほどに――かれの手中にころがりこんできたわけです。彼女は善良で、信仰篤く、強力で――」
「――そして、蛾が炎にひき寄せられるように、悪にひき寄せられた、と言うのか」
***
レイストリンの力を、野心を誇り、そのために自分がいかに利用されているかをすら誇ってみせるダラマール。ここまで来てもまだ、自分の小さなレイストこそが真のかれだと信じ込もうとするキャラモン。聡明で善良であるがゆえに、レイストリンの全貌を捉えきれなかったパー=サリアン。善良で一途であるがゆえの悲劇をこれから繰り広げていくクリサニア。
そして、一途さ以外何も持ち合わせないブープー。それぞれの目に映る一人の人物像が、これほど多彩に展開されていく様を、他に知りません。
Par-Salian’s eyebrows raised ever so slightly, and Tas stuttered.
パー=サリアンの眉がわずかにひそめられたのを見て、タッスルはどもった。
The kender paused for breath. Par-Salian’s lips twitched, but he refrained from smiling.
ケンダーは一息ついた。パー=サリアンがぴくぴくと唇をうごめかせたが、なんとか苦笑をこらえていた。
Par-Salian out his fingers on his lips to control them.
パー=サリアンがほころびそうになる自分の唇に指を押しあてる。
“No offense meant, I’m certain, but did you ever stop to think that your Forest is really nasty? I mean, it is not friendly”--Tas glared at the mages sternly--“and I don’t know why you let it wander around loose! I think it’s irresponsible!”
Par-Salian’s shoulders quivered.
「いえ、あなたがたの悪口を言ってるんじゃないんですよ。でもね、ちょっとあの森はほんとにひどいな、なんて考えてみたりしませんか? ひどいというか、とにかく友達じゃありませんよね」――タッスルは魔法使いたちをじろりと睨んで――「それに、なぜあの森を勝手にふらふら歩きまわらせるんですか! そんなの無責任ですよ!」
パー=サリアンの肩が小刻みに震えている。
***
眉をひそめるだけでタッスルの脱線を止めるとは、さすが<枢密会議>の長。しかし我らがタッスルも負けてはいなかった!吹き出させるには至りませんでしたが、パー=サリアン並びに一同の腹筋をしっかりほぐしてくれたのでは。絶賛陶酔中の黒エルフと、聞いちゃいないキャラモンは別でしょうけれども。
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