2016年4月10日日曜日

伝説1巻p164〜《蹴り》

前回《運命》の最後の方にちょっと考察を加筆しました。

TIME OF THE TWINS p93
 “It’s no game, you big ox!” the kender shouted. “I’ve decided to kick some sense into you, that’s all! I’ve had enough of your whining! All you’ve done, all these years, is whine!”

伝説1巻p164
「ふざけてなんかいるもんか、この鈍牛め!」ケンダーは叫んだ。「ぼくはあんたに分別ってものを蹴り入れてやることに決めたんだ、それだけさ。もうあんたのめそめそはたくさんだ。この数年間、あんたのしてきたことといえば、ただめそめそ泣いて愚痴をこぼすことだけじゃないか!」

“The noble Caramon, sacrificing everything for his ungrateful brother. Loving Caramon, always putting Raistlin first! Well--maybe you did and you didn’t.”

「弟思いのキャラモン、弟のためならすべてを犠牲にして我慢するキャラモン。愛情あふれるキャラモン、いつもレイストリンのことを先に考えるキャラモン。さあて――本当にそうだったんだろうか?」

“I’m starting to think you always put Caramon first! And maybe Raistlin knew, deep inside, what I’m just beginning to figure out!”

「ぼくは、あんたがいつもキャラモンのことを先に考えてたんじゃないか、と思いはじめたよ。それに、たぶんレイストリンも心の奥底で、ぼくが今気付きはじめたのと同じことを、わかってたんだ!」

“You only did it because it made you feel good! Raistlin didn’t need you--you needed him! You lived his life because you’re too scared to live a life of your own!”

「あんたが弟思いなのは、そうしてれば自分が気持ちいいからだったんだ。レイストリンがあんたを必要としてたんじゃない――あんたがかれを必要としてたんだ。あんたは、自分自身の人生を送る勇気がなくって、それでかれの人生につきまとってたんだ!」

***

 今回はこの、タッスルの口上だけで行こうと決めてました。初読時には喝采したものですが、今こうしてみると、ああ、一言言いすぎちゃいましたねタッスル。

“Raistlin didn’t need you--“

 この後キャラモンが陥る、目を背けたくなる最悪の惨状は、この言葉が引き金になったんではないかと思います。もちろんタッスルが切れるのも無理はない、当然の、必要なことだったんですけれど。

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